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夏の出来事

どうも阿部です。
忙しくて更新を怠っていました。完全に私事です・・・。怠慢です。

最近何をしていたかというと、神戸大学のフィールドワークに参加し
東京のビジネスコンテスト キングに参加し、
休む暇なく、大阪のビジネスコンテスト デルタに参加しておりました。

1週間にわたって、これら3つのお話をさせて頂きたいと思います。
ただ、ひとつひとつ書くと凄く長くなるので、かなり割愛させて頂いております。
今回は釜ヶ崎のフィールドワークについて。

◆釜ヶ崎 フィールドワーク (8/20-23)
僕の住んでいる阿倍野区は、大阪のあいりん地区という貧困地区の隣にあります。
そのため自転車で15分程度こげば、路上生活者の方々が道で寝ている様子が見られます。
この間、たまたま自転車で通ったら電信柱の下で血を流しながら寝ている人も見ました。酔っ払ってこけただけみたいですが・・。

そのあいりん地区の中でも、貧しさが蔓延っているのが釜ヶ崎という街。地図にはない地名です。
日雇い労働でお金を作り、そのお金でメシを食う。そういうようなその日暮らしの男性が多く住む街です。
その為、体を壊して働けなくなると、路上生活者になってしまいます。

いつもは自転車で通るだけの、そんな街に、機会があってフィールドワークへ行ってきました。
3泊4日でしたが、僕は2泊。
1日目に夜回りを体験し、2日目に寄せ場(労働者の方が業者に派遣される場所)
そして、3日目に実際に路上生活をしている人に公園のテントでお話を聴く。
最終日4日目は、デモ行進しました。

残念なことに3日目には参加できなかったんですが。。
では、このフィールドワークに参加し、最も衝撃的だった2日目の寄せ場見学の話を。

この釜ヶ崎という地区には、西成労働福祉センターという施設が存在します。
ここでは、日雇い労働者のサポート(生活・就労相談など)を行っています。
そして、この施設は朝5時にギギギという音とともに、大きなシャッターが上がり開放されるのですが、

その瞬間にワゴンや小型バス、そして中年の男性たちが一斉に入ってきます。
その光景は圧巻であり、日本、ましてや大阪の都心部の光景としては異質です。
しかし、彼らは朝5時から何を目的に、西成労働福祉センターに来るのでしょうか。

まず、ワゴンや小型バスは、土木関係の仕事への派遣を仲介する手配師と呼ばれる方々です。
車のフロント部分に、待遇と仕事内容を書いた段ボールを置き、求人します。
実は、この土木関係の仕事への斡旋。法律で認められていません。完全に違法です。
ところが、この施設は公的な機関であるが、それを黙認しています。
むしろ、トラブルが起こらないように、求人内容の段ボールを認可制にするなどの対策をしています。
なぜこうなったのかというと、ものすごく長くなります・・。
ですので、もし興味があれば、文末に紹介する参考文献をお読みください。

そして、第二に中年男性たちは何を求め、朝5時から来るのでしょうか。
おおまかに振り分けると3パターンの動機があると考えられます。
寝場所確保・仕事の確保・暇つぶしの3つです。
寝場所確保は、ものすごいです・・。3階に行くと、中年男性がゴロゴロと寝ています。
安全だからでしょうね。仕事の確保に関しては日雇い労働で暮らしている方が仕事を求めてやってくるのです。

最後に暇つぶし、これに関してはあまり言えないのですが。
施設内で賭博を行っています。「丁」か「半」かの昔ながらのものです。
当然、金銭をともなった賭博は違法です。しかし、こちらに関しても施設は黙認。
アノミー状態です。

そんな西成労働福祉センターに、学生10数名と教員3名がフィールドワーク。
当然、奇異な目で見られます。しかも、多くは女子学生です。
危ない・怖いといった言葉が、自然湧いてきます。けれど実際は、全くそんなことはなく
つっかかれることはありませんでした。

そんな中で、労働団体の方々がビラを配っており、その代表の方から運良くお話を聴くことができました。
その時のお話が、今回のフィールドワーク中で最も自分の感情を揺さぶられました。
朝5時だったのですが、スパッ!と眼が覚めました。

『この街に住む男性は、今 現在を生きる為に働き、食事をし、生活している。その生き方はまさに生き物の本能のまま、”生きる為”だけに働いている。彼らの殆どが”夢”や”希望”と言った言葉の意味を学んでいない。小学校や中学校を卒業しただけの男性が多く、学ぶ機会もなく、知識もないまま、この釜ヶ崎にやってきた。それらの言葉や知識を知らないまま、その日暮らしの為だけに働いている。しかし、今回この街にやってきたあなた方は、教育で夢や希望を教わってきている。”この街でフィールドワークしたから、何かしなければいけない。何か変えなければいけない。”そんな大きなことは考えなくてもいいです。この街で生活する男性の姿をみて、何かを感じて頂ければ結構です。その上で”知識”というものが、どれほど大切か、一度考えてみてください。あなた方には知識を学ぶ環境も整えられているのですから。』

”知識”の大切さ

つまり、知る事がどれほど重要なのか。
たくさんの道を知っていれば、たどりつく場所も増えたはずである。
凄く貴重な経験が出来た。

神戸大学ボランティア支援室の皆さま、FW参加者の皆さま。
そして釜ヶ崎に関わっており、今回のサポートをしてくださったNPO法人・団体の方々。
ありがとうございました。


◆参考文献・HP

2009年09月15日

Last Update: 09/09/26 2:22

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